一般社団法人日光青年会議所

 2024年度 理事長所信

理事長 生井 一志

 

【はじめに】

日光青年会議所は、創立以来多くの青年有志の尽力により、常に移り変わる時代を見据え、愛するまちやそこに住む人々を想い、運動を展開してきました。日光青年会議所には確かな信頼と 多くの繋がりがあります。それは長い歴史の中で先輩たちが利他の心で地域やまちのために活 動し、築き上げてきた財産であり、私たちはこれからも高い志と情熱を持ち、まちのため、市民の ため、変わりゆく時代に対応し、運動を起こし続けることが重要であると考えます。

私たちが住み暮らす日光市はこれからも新型コロナウイルスの影響、働き方改革による 2024 年物流問題、インフレによる物価の上昇などの様々な影響により、生活や活動に大きく関わる問 題が次々と発生してくるでしょう。そこから目を背けることはできず、この激動とも言える時代をど のように生き抜いていけばよいでしょうか。青年会議所は市民の意識を変革する団体であり、そ れにはまず私たち自身が意識の変革に向き合い、それを伝播させる器量が必要です。そのため には、まず私たち会員同士が思いやること、助け合うことが必要です。だからこそ、私はその組織 づくりをし、その土台の上で青年会議所活動に精一杯取り組んでもらいたいと考えています。

誇りあるまち日光の創造に向け、私達が未来も生き続け、そして次の世代に未来を残す存在で あることをしっかりと認識し、社会が変化し続ける中で「人と人」「人と地域」を結び、激動の時代を 切り開き、まちに住む人達が「生まれて良かった、住んでいて良かった」と思える日光を創造して いきます。

 

【仲間が繋がる強固な組織へ】

組織がより良い力を発揮するためには、個人の情熱や成長に加えて、仲間との繋がりを強めていくことが何よりも大切です。一人では決して辿り着けないような事も、仲間が集い、底力が生ま れるからこそ、我々は果敢なる挑戦心を持つことができ、様々な運動を実践していくことができる のです。

青年会議所が勇猛果敢に運動を展開できるのは、長く受け継がれてきた堅実な運営と、お互 い支え合うメンバーの強い仲間意識があるからです。決まりがあるからこそ、我々は組織の中で 成長することができ、想いを共有できるからこそ、一致団結して運動を推進することができます。こ の強さと優しさを備えた組織運営は非常に強固なものですが、同時に時代の変化を捉え、新しい ことに挑戦をしていくことで組織はより発展していきます。特に現在、多様なメンバーが在籍し、そ れぞれが大切な時間を投じて青年会議所活動に参加しています。だからこそ、改めて時間の重みを認識し、時間的価値を最大限に高めていく、そんな組織運営が求められます。 また、青年会議所の活動は間違いなく、まちやメンバーに良い効果や影響をもたらします。しか しながら、私たちが思っている以上にはまちや会全体に伝わっていないと感じます。いくら良い事 業を構築、実施しても実際に参加してみなければ伝わりません。SNS を始めとした様々な情報発 信媒体がある中で、発信内容・表現に応じた工夫を行い、一方的な情報発信ではなく、情報を受 け取る側が興味を持ち、共感できるような、個人の感性が入った情報発信を心掛ける事が大切だ と考えます。多くの人の目に触れることで初めて我々の活動が評価され、効果的な検証を得る事 ができます。様々な情報発信媒体を駆使して老若男女へ分け隔てなく私たちの活動・運動を発信

していきましょう。

 

【みんなが誇れる日光へ】
私たちの暮らす日光市は、長い歴史と文化を保有しており、 県内外に誇れる魅力が溢れるま
ちです。近年では、地域間の繋がりの希薄化やコロナによる生活環境の変化、少子高齢化に伴 い、地域の歴史や文化を知る機会が減ってきている現状があります。市民がまちに、より関心を 持ち、そしてそれが愛着を生み、まち全体が一体となれる活動を起こす必要があり、そのために は、私たちが日光の魅力をどのように捉えているのか、また人々がどう感じているのか、正確に判 断した上で、新たな見せ方や伝え方を模索しなければなりません。このふるさとを持続可能な明る い未来へと繋げていくために、このまちに住む一人ひとりがまちを知り、好きになり、そして自信を もつことで日光市を誇りに思うことが大切です。

そして、日光青年会議所には日光の魅力を最大限に発信してきたライトアップ NIKKO がありま す。これからも長くこの事業が続いていくためにも、改めて地域行政・地域団体との連携をより強 固なものにし、まち全体を巻き込んだ体制を構築することも必要です。私たちがその架け橋となり、 まち全体の気運を高め、老若男女問わず参加できるよう導いていきましょう。そして、私たちが地 域に寄り添いながら、日光を愛する人々と共に市外への魅力発信を積極的に行うことで、日光市 をもっと魅力ある活気に溢れたまちへと進化を遂げられるよう、未来に向けた取り組みを実施して いきましょう。

 

【未来を担う子どもたちの育成】
コロナ対策の一環として「新しい生活様式」が提唱されてから 
年、ウイルスの弱毒化を指摘す

る専門家も多い中、まちの多くでは「密」を避け、「マスク着用」の日常から中々離れられません。 この現状から、子どもたちの多感な時期に相手の表情が読み取りづらいなど、感受性が育まれて きたのか不安があります。また、部活動の廃止や普段の生活の中で協調性を育む機会が減少し ており、その社会的関係性の構築機会を得る機会の減少が大きな課題となっています。多様性の ある社会の中では尚のこと、利他の精神や他人の立場に立った行動ができる意識、協調性を醸 成することが重要です。

地域の持続的な発展には、愛する故郷で住み暮らしコミュニティを支え、未来のまちづくりを牽

引する子どもたちの育成は欠かせません。日光青年会議所も、社会と地域の希望である子どもた ちが、将来、地域の担い手として活躍する上で必要不可欠である郷土愛を醸成するために、自然 や歴史、文化といった地域の教育資源を活用した運動を展開してきました。改めて郷土とその未 来に対し、郷土を愛する心を育むために、まちに対し愛着や誇りが抱ける運動を子どもたちに行う 必要があります。

都市化や情報化の発展により個人の資質や能力を向上する環境は整いやすいのかもしれま せん。だからこそ他人と共に協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性を育む ことに着目し、子育て世代が揃う青年会議所ならではの視点を持ち、子どもたちの「心の成長」を 育んでいきましょう。

 

【多子社会の実現に向けて】 多くの地域で課題とされる人口減少。我々が活動する日光市においても例外ではありません。

人口減少は地域全体の活力低下に繋がり、財政面を含め、様々なマイナス要因を生み出します。 日本全体がこのような状況の中、人口を増加させていくことは現実的に難しいことです。だからと いって手をこまねいていれば、地域が衰退していくことは明らかです。

昨年、日光青年会議所では多子社会実現に向け、日光市の多くの課題を洗い出し、メンバー間 での共有、解決に向け事業を行いました。しかしながら、この問題の解決にはまだまだ取り組むこ とは多くあります。2023 年には 2030 年を目標とした次元の異なる少子化対策、「こども未来戦略 方針」も政府から策定され、そこに取り上げられている若い世代の経済面の問題や働き方にも注 目しなくてはなりません。また、若い世代にとって、日光市は将来結婚したら住みたいと思えるまち なのか、みんなが望む形で子どもを産める環境に日光市はあるのか考えなくてはいけません。 出会いや晩婚化による「結婚」のテーマ、経済面や環境に不安を抱える「出産」「子育て」に関する 問題を解決し、安心して子育てができるまち、雇用拡大や移住、関係人口の増加での住みたいと 思えるまちとなることが多子社会の実現に繋がります。私たちにできること、青年会議所が取り組 むべきことを考え、実践していきましょう。

 

【次代の主役の発掘】

青年会議所の使命に、「青年会議所は、青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を与える」とあり、青年会議所は社会をより良くする運動を起こしていける能力と、様々 な人脈、確かな経験が得られる組織です。日光青年会議所では経験豊富なメンバーが卒業し、減 少しているのが現状です。人口減少やコロナ禍などで多くの問題を抱える情勢の中、人材を発掘 し入会に繋げることは容易ではありません。しかし、明るい豊かな社会を実現する為には同じ志を もった仲間は必要不可欠です。

青年会議所の認知度を上げていくことはもちろん、会員拡大を担う組織が司令塔となり、例会 の参加者や関係者、その他関わった人々、メンバーからの情報の吸い上げを継続して行い、会員 全体で拡大に取り組んでいきましょう。

また、新たな仲間は、会員や組織に新たな価値観や刺激をもたらし、組織の活性化にも繋がり ます。異業種が集う組織として、このまちに住み暮らす青年世代と多くの交流を通して繋がりを持 ち、一人ひとりが情熱と気概を持ち、組織一丸となって次代の JAYCEE を生み出していきましょう。

 

【結びに】

青年会議所は、自らを成長させてくれる場所であり、いつの時代であっても青年らしく情熱を持って、何事にも挑戦できる機会を与えてくれます。そうした機会の中で、私たちは仲間との楽し い時間を過ごし、共に困難を乗り越える力を育み、地域社会からの支えもあって、かけがえのない 人生の教訓となる経験を積むことができます。

これは私が青年会議所に入会し学び感じたことであり、人のため、まちのため、強く優しい心を 持った人間への成長を感じました。多くの機会、そこで共に活動する多くの仲間と出逢いに魅力を 感じながら活動し、一人の力は微力でも多くの仲間が集まれば想像を超える力を発揮できること を私は青年会議所で身を持って知ることができました。心で繋がっている仲間や先輩がいて、一 人ひとりが刺激しあえる環境がここにはあります。

自分の成長を信じ、自身に負荷をかけることが自身の成長に、やれる人だけ、やりたい人だけ に任せるのではなく、全員でやることで私たちの活動の未来に繋がるはずです。どんな時代でも どんな環境でも自分の誇りを失わず、先人たちの想いを胸に時代に即した組織となり、結果を恐 れず同じ志を持った仲間と協力し合い、まずは行動しましょう。その一歩一歩が私たちの愛する日 光の未来を創っていきます。

一般社団法人日光青年会議所

事務局 日光商工会議所内

 〒321-1262

    栃木県日光市平ヶ崎200−1

 TEL: 0288-30-1171

    FAX: 0288-30-1172